【開催日時】
 2026年3月21日(土)13:00〜15:00 (15:00〜16:00 個別相談・参加者交流会)

東京都の男女平等参画推進拠点である東京ウィメンズプラザが主催する「トークカフェ」が、3月21日(土)に開催されました。第5回のトークテーマは“妊活モヤモヤ”。不妊体験をもつセルフ・サポートグループとして設立されたNPO法人Fine(ファイン)より公認不妊ピア・カウンセラーを招き、パートナーとの関係や周囲の何気ない言葉のプレッシャー、仕事との両立などの悩みや不安を抱える参加者が、同じような悩みを持つ他の参加者とおしゃべりして過ごし、お互いの思いを共有する時間を過ごしました。

第5回「トークカフェ」のメインファシリテーターを務めたのは、NPO法人Fine公認不妊ピア・カウンセラー河村さやかさん。「NPO法人Fineは不妊治療を行う団体ではなく、過去に子供ができないかもしれないと思ったことがあったり、あるいは今、現在そう思っていたり、未来にそう思うかもしれない方を含め、そうした不安を感じる方々みんなを仲間として活動する団体です」と河村さん。今回は河村さんと4名の公認不妊ピア・カウンセラーの皆さんがファシリテーターとして参加しました。

河村さんは「おしゃべりを始める前に、まずは2人の体験談を聞いてください」と、長谷川恵子さんを紹介。長谷川さんは、介護と仕事との両立により肉体的にも精神的にも過酷であった5年に及ぶ不妊治療のなかで、幾度も自分の気持ちを問い直し、夫婦で話し合いを重ねたことで、夫婦の絆が深まったと当時のことを振り返り話しました。そしてその経験から、どんな選択であっても、皆さん自身が幸せと感じることができるのであればそれが正解であり、誰のものでもない自分自身の幸せな人生だと、参加者へのエールを送ります。

2人目は北條誉さん。不妊クリニックに通うなかで、結婚や子どもに関する社会の価値観や周囲からの何気ないプレッシャーに、精神的に追い詰められてしまった経験を話しました。そうした経験のなかで自分らしい生き方を見つけ出してきたと話す北條さんは、「ここまでくるのに時間はかかりましたが、全て自分が自分らしく生きるために必要なことだった。皆さんにそれぞれに物語がある。」と自らの歩みを振り返り参加者の皆さんのヒントになればと話を終えました。

真剣な表情で体験談に耳を傾けていた参加者の皆さんに「皆さん体験談を聞いて、きっと感情が大きく揺れ動いているところかと思います」と、河村さん。「温かい飲み物とお菓子が用意されていますので、ひと息ついてリラックスしてこの後の話を聞いてくださいね」と安心しておしゃべりできるように会場の緊張を和らげます。
続いて河村さんは「今日は皆さんに、妊活に対して今、どのような気持ちでいるのかということにも向き合っていただこうと思っています。その時に、さまざまな視点で考えることができるよう、気持ちが軽くなるためのヒントをお伝えできればと思います」と、不妊ピア・カウンセラーであり医師でもある三原さやかさんを紹介しました。

メインファシリテーターを務めた、NPO法人Fine公認不妊ピア・カウンセラー河村さやかさん。

妊活を通して夫婦の絆が深まったと話す不妊ピア・カウンセラーの長谷川恵子さん。

両親との世代ギャップのなかで、自分らしい幸せを模索してきたと話す不妊ピア・カウンセラーの北條誉さん。

「〜すべき」の思い込みから自由になるヒント
SRHRと環境管理

三原さんは自身の妊活経験に加え、医師としての学びのなかで出会った“SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights)”と“環境管理”という2つの概念を紹介し、人生の助けになるヒントとして妊活のなかで感じるモヤモヤした気持ちを落ち着かせるためのお守りのような存在として、安心感を与えてくれるはずと説明されました。
“SRHR”とは、自分の身体や妊娠・出産について、誰かに決められることや、「〜しなければならない、すべき」という思い込みに縛られることなく、自分の意思を大切に安心して選ぶことができる権利のこと。“環境管理”は働く人の健康を守る労働衛生管理を、育児や家事などの家庭内労働に当てはめた考えです。
開催後の参加者アンケートでも、この“SRHR”の考え方が印象に残ったという回答がいくつもあり、参加者にとって悩みや不安を軽くすることができた話だったことがうかがえました。
「“SRHR”は全国の産婦人科医師で構成される日本産科婦人科学会のような専門機関でも、大事な考え方として取り上げられるようになっています」と三原さん。河村さんも「この考え方をぜひ持って帰ってください」と話を締めくくられました。

「産んでも産まなくても大丈夫。誰かに決められるのではなく自分の意思を大切に」と話す三原さやかさん。

三原さんの話に河村さんも加わりトークセッション。

お互いの想いを共有し
おしゃべりでモヤモヤ解消

「後半、ここからはワークとおしゃべりの時間です」と河村さん。まずは抱えているモヤモヤがどういうものなのかを書き出します。河村さんはワークについて「誰にも見せる必要がないものです。自分の中のマインドを整理するワークなので、自分のためにやってみましょう」と話します。「モヤモヤを書き出したら、次はモヤモヤを分類します。最後はそのモヤモヤと感じていることをもとにおしゃべりです」と河村さん。この場所でのおしゃべりは、自分のなかにあるモヤモヤした気持ちを言語化してみることで、気持ちを整理し自分がどうしたいのか、どうして欲しいのかという、自分の本音に気づくきっかけを作るためのものです。
河村さんの「それではここからはおしゃべりの時間です」の掛け声で、各テーブルについたファシリテーターを交えたおしゃべりが始まりました。
妊活のなかで感じる悩みや不安は、病気のことや職場のこと、お金のことなどそれぞれ。日頃は周囲に話せないことでも同じような悩みを持つ方たちとのおしゃべりは、気持ちも楽になり、良い気分転換の時間となったようでした。
ファシリテーターの体験談を聞いたり、ファシリテーターを交えてのおしゃべりの時間が、参加者の皆さんの悩みや不安の解消に少しでもプラスになっていただけたら主催者としても嬉しいです。

職場、お金、未来、日頃感じている悩みや不安を書き出します。

体験談や悩みを共有し合う皆さん。

ファシリテーターが話しやすい雰囲気作りを心がけることで、周りに話せない悩みも安心して話をすることができます。

プログラムの終了後には、個別相談・参加者交流が設けられました。

メインファシリテーターの河村さんもテーブルに加わり、参加者の皆さんと長く話し込む様子が見られました。アンケートでは「いろいろな選択肢があることを知ることができた」「悩んでいるのは自分だけじゃないことを知った」「同じ悩みを共有し肩の荷がおりた感覚」などの回答が見られ、安心しておしゃべりできる時間が過ごせたことがうかがえます。また「自分の気持ちを大事にしようと思った」「たくさんの質問や話ができて、今後の安心材料にできる」など多くの気づきがある時間となったようです。

皆さん、ご参加ありがとうございました。

 

お問合せ

東京ウィメンズプラザトークカフェ事務局
〒105-0013 東京都港区浜松町1-8-6 FK ビル2F
TEL:03-5422-1146 (平日10 時00分~ 17 時00分)
E-mail: twp-talkcafe2025@ohwada-gumi.co.jp
※本事業の事務局は、東京都から株式会社おおわだぐみに運営を委託しております。

 

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