東京都の男女平等参画推進拠点である東京ウィメンズプラザ「トークカフェ」の第5回が2月24日に開催されました。今回は子育て中の女性や、子供はいないけれどテーマについて知っておきたいという女性たちにご参加いただき、「お母さんにも友達にも話しづらい…」、「子供からの性に関する質問に何て答えればいい…」そんな思春期にまつわるモヤモヤをテーマにおしゃべりしました。
ファシリテーターには、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の実現を目指す「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子さんらをお迎えし、なんとなく感じていたモヤモヤを吐き出しながら参加者同士で同じ悩みに共感したり、最新のフェムテックグッズ情報や海外での性教育の様子について学びました。
またもう一つの協力先である「とうきょう若者ヘルスサポート(わかさぽ)」は、都内に在住・在学・在勤の中学生以上の10代の方を対象に、看護師などがカラダやココロの悩みに答える場です。
この2つの協力のもと、今回のイベントが行われました。
まずは女性の権利や性について学び、活動する4名のファシリテーターの自己紹介でイベントがスタートしました。医学の面からジェンダー問題解決を目指す医師のさえさん。SRHRの推進活動を行っているNGO職員のまりこさん。女性、クィアとしての生きづらさやSRHR、ジェンダー平等をめぐる現状への危機感から活動に加わった現役大学生のつづこさん。そして日本でのSRHRの実現を目指すかずこさんです。
写真左から代表のかずこさん、さえさん、まりこさん、つづこさん。
ファシリテーターの自己紹介に続いて、各テーブルでも自己紹介しながら最初のグループトークが始まりました。初めて顔を合わせる参加者同士、最初はちょっと緊張気味でしたが、ファシリテーターも加わりこんな情報を知りたいと思っている、こんなことを期待して来ましたと話が進むにつれ、少しずつリラックスした雰囲気に。
今回のトークカフェは、中学生以上の方の会場参加もOK。母娘で参加してくれた方もいらっしゃいました。
自己紹介を終えたら、ファシリテーターのさえさんから「思春期の身体の変化」についてのレクチャー。まりこさんは、ご自身が早い時期から性に関する知識を学ぶための本を母親から勧められていたことで、生理を迎えた時にもココロの準備ができたという経験から、思春期の体の変化に向き合っていくためには、事前に知識を持っておくことが必要だとアドバイス。
そして、思春期のココロとカラダの変化について、記憶を思い起こしながら、自分はどうだったろうと少し考えてみてくださいと、グループトークが始まりました。
参加者の皆さんは「お化粧をしている子がいて…」「女子校って…」「SNSの向き合い方」など、様々な記憶が蘇ってきたようで、小学校、中学校時代の話で盛り上がっていました。
自己紹介タイムでは、参加者の皆さんもまだちょっと緊張気味。
母娘で一緒の参加も。
グループトークで緊張感がほぐれてきた会場で、「次はちょっとかたい話をしますが、ぜひ覚えて帰ってください」と、語りかけるのはまりこさん。「包括的性教育という言葉を聞いたことがありますか」という問いかけに多くの参加者の手があがりました。
「知っている方が多いですね。知らない方もいらっしゃると思うので、少しかたいお話ですが、リラックスして聞いてくださいね」と笑顔で応え、包括的性教育を実践するためのガイダンス資料として、WHOやユネスコなどの国際機関が共同で作成した「国際セクシャリティ教育ガイダンス」を紹介し、「包括的性教育を学ぶことによってジェンダーに対する公平性や意図しない妊娠を減らすなど様々なメリットが生まれます」と説明しました。この「国際セクシャリティ教育ガイダンス」の日本語版翻訳には、かずこさんも携わっています。
「包括的性教育」について説明する、まりこさん(写真中央)。
包括的性教育についてのまりこさんからの話を受けて、パネルセッションが始まりました。小学校時代を英国で過ごした経験を持つさえさんが英国での性教育の経験を紹介し、続いて、つづこさんはご自身が日本で受けた小学校での性教育の授業の様子を紹介。日本の性教育の話には、参加者の皆さんも自分の経験と重なる部分も多く、大きくうなずきながら聞いている方が多くいらっしゃいました。
ファシリテーターがテーブルに加わって進められたグループトークでは「SNSから流れてくる見せたくないコンテンツ」「子供に対して自分と夫の考えの違い」など、日常の生活のなかで起きるいろいろなモヤモヤ、悩みについて話が出ていました。
かずこさんからは、「日本の性教育に疑問を持ち、変えたいと思っても簡単には変わらない。だからと言ってあきらめて無かったことにしてしまうと、ずっとそのまま。疑問に思ったら、それをきっかけに子供たちと話してみることが、モヤモヤや悩みをスッキリさせるためにも良い。そのためにも、大人たちがまず学ぶことが必要」とアドバイスします。
おしゃべりが盛り上がってきたところで、話題は最新のフェムテックグッズへ。
かずこさんが、ご自身が使用しているものや試しに使ってみた生理用品、避妊グッズを手に取りながらそれぞれの特徴を紹介しました。
休憩時間の合間にフェムテックグッズを見に集まり、ファシリテーターらと談笑する参加者の皆さん。
ファシリテーターがテーブルに加わり、最後のテーブルトーク。
最後に、東京都より、子供たちがカラダやココロの悩みを相談できる「とうきょう若者ヘルスサポート(わかさぽ)」が紹介され、気軽に活用してほしいと伝えられました。
とうきょう若者ヘルスサポート
(わかさぽ)
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo//sodan/wakasapo
電話:0120- 372- 463
受付時間:毎週火・水・金曜日 午後3時から午後8時まで
毎週日曜日 午前9時から午後2時まで(元日を除く)
プログラムの終了後には、参加者との個別相談が設けられ、フェムテックグッズを手に取っている姿やファシリテーターと話し込んでいる様子が見られました。
終了後に行ったアンケートでは、「日本の保健体育の授業も、もっとオープンに性について話せるようアップデートしてほしい」「海外と日本の性教育の違いに驚いた」という、海外と日本のギャップに感じた感想や、「他の人と性について話すことがないので、勉強になった」「生理用品、避妊法、低用量ピルなど新しい情報を知ることができた」など、新しい知識と多様な考えや価値観を知る、学びの場となったことがうかがえる回答が多くありました。
皆さん、ご参加、ありがとうございました。
東京ウィメンズプラザトークカフェ事務局
〒105-0013 東京都港区浜松町1-8-6 FK ビル2F
TEL:03-5422-1146 (平日10 時00分~ 17 時00分)
E-mail: twp-talkcafe@ohwada-gumi.co.jp
※本事業の事務局は、東京都から株式会社おおわだぐみに運営を委託しております。
©2024tokyo-womens-plaza ALL RIGHTS RESERVED.